ビル経営のメリット・デメリット

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掲載日:2016年09月21日
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ビル経営のメリット・デメリット

長引く不景気や年金受給に対する不安など、先行き不透明な現代に生きる私たち。お金さえあれば万事安心というわけではありませんが、自分自身や家族のこと を考えれば、資産運用によって賢く将来に備えることが大切です。今回は、2015年1月に相続税が増税されたことによって注目を集めている不動産投資のなかから「ビル経営」について、そのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

ビル経営の種類

ビル経営と言っても、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

オフィスビル

その名の通り、オフィス(事務所)として使用することを目的として建てられたビルのことで、「ビル」と呼ばれるものの多くがこのオフィスビルに該当します。物件によっては低階層に飲食店やその他店舗が入っている場合もありますが、事務所としての用途が大半を占める場合は、オフィスビルとして扱われます。

商業ビル

小売店や飲食店などの商業施設が入居しているビルのことを言います。立地条件やテナントの選定などによって得られる利益が大きく変わってくるのが特徴です。

ファッションビル

商業ビルのうち、ブティックやセレクトショップ、雑貨などファッション関連のアイテムを扱う店が中心に入居しているビルのことを言います。

ビル経営のメリット

ビル経営はほかの土地運用と比べてどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく掘り下げて見てみましょう。

住居用物件よりも家賃を高く設定できる

ビル経営をする上で最も大きなメリットが家賃を高く設定できるという点です。相場としてはアパートやマンションの1.5~2倍程度というのが一般的で、初期投資した分を短い期間で回収することが可能です。

立地用件が緩和される

アパートやマンションを建設する場合には、建築基準法によってその土地の形状や周辺の環境など厳しい条件が決められていて、土地を持っていても条件に適合しなければ建築することができないケースもあります。その点、ビルの場合は建築基準法上の条件がそれほど厳しくないため、仮にアパートやマンションが建築できない土地でもビルなら建築できる可能性があります。

トラブルリスクが低い

個人が入居者となるアパートやマンションに比べて、ビルの入居者はその多くが法人です。そのため、家賃の滞納や騒音トラブルなどが起きにくいのも経営する側としては魅力的です。

相続税対策ができる

土地を更地のまま保有したり、駐車場経営をしたりする場合と比べて相続税がおよそ2割軽減されます。

ビル経営のデメリット

ビル経営にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。具体的に見てみましょう。

建築コストがかかる

オフィスビルや商業ビルなどでは、OA環境の整備や電気容量設備、セキュリティ対策などの充実した設備環境が求められるため、アパートやマンションなどを建築するよりもコストが高額になるのが一般的です。そのため、初期費用の負担が大きくなるというデメリットが考えられます。

一部税に対して軽減措置がない

相続対策として効果的なビル経営ですが、商業ビルやオフィスビルは住宅ではないため、固定資産税や都市計画税の軽減を受けることができません。

退去や空室時のリスクが高い

アパートやマンションは戸数が多ければ、たとえ一部屋が退去してしまってもそれほど大きなダメージを受ける心配はありません。一方、商業ビルのように広いスペースを貸し出している場合には、その企業が退去してしまうことで受ける賃料収入のダメージも大きくなってしまいます。

株式取引、投資信託、FX(外国為替証拠金取引)などと比べると、同じ投資型資産運用でもビル経営は比較的着実性や安定性が高いと言われています。とはいえ、リスクがゼロかというと答えはノーです。ビル経営のメリット、デメリットをしっかりと理解した上で土地の活用を考えましょう。