農地転用する際の手続きのポイント
農地をほかの用途に使用する場合は、農地法に従った手続きが必要です。法律に触れる手続きとなるため、あらかじめ正しい知識を身に付けておくことが大切です。ここでは、農地転用の基礎知識をご紹介します。
登記簿上で農地とされている土地を転用
田や畑として登記簿に記載されている土地のことを「農地」と言います。農地転用とは、これらを農地以外の用途に変更することです。転用時には、農地法第4条もしくは第5条に沿った認可が求められます。
第4条の対象となるのは、自分の所有する土地を自分が活用する場合であり、事業者に売却し、転用すると第5条が適用されます。いずれも、原則的には都道府県知事の認可が必要です。また、4haを超える大規模な土地であれば、農林水産大臣の管轄となります。
無断転用すると、復元命令が課されるため注意しましょう。従わない場合は罰則規定に触れるケースもあり、土地活用を実施するときは必ず法律にのっとった手続きを経てください。
専門家に依頼する場合にかかる費用の目安
自分で手続きを行う場合は、必要書類をそろえるコストしかかかりません。おおよそ1万円前後だと考えるとよいでしょう。ただ、土地登記簿謄本、同意書、間取り図、見積もり書などを、すべてそろえるのは容易ではありません。
また、役所の窓口が開いている時間は平日昼間ということもあり、平日に仕事がある方は時間に融通を利かせるのも大変です。
資産運用のために本業に支障が出てはなりませんので、お財布事情にゆとりがあれば行政書士への依頼を検討しましょう。
行政書士に頼んだときにかかる費用は、各事務所の設定によって異なるため一概には言えませんが、許可申請代行で5万円から10万円がひとつの目安です。ここに時間単位の相談料が上乗せされることもあり、総額だと20万円前後が妥当な線になるでしょう。
手続きの負担は大きく減りますが、一定のコストが発生することは念頭に置いておくようにしてください。
失敗したくないなら経験豊富な専門家を選ぶこと
ひと口に行政書士と言っても、専門分野はさまざまなので、依頼するときは不動産を専門とする業者を選びましょう。書類の準備、やり取りがスムーズに進みます。しかも専門家であれば、許可を得るためのポイントを把握しているため、申告時に有利です。
また、相性も大事なので、時間に余裕があれば、口コミだけではなく、実際に会ってみてから依頼するかどうかを判断したほうがよいでしょう。
例えば、何でも気軽に質問でき、分かりやすい回答をもらえる専門家は信頼できます。はじめての農地転用であれば、なおさらこのポイントを重視しましょう。ちなみに、専門用語ばかりを並べ、一方的に話を進める専門家であれば、他業者に依頼することを検討したほうがよいかもしれません。コストがかかることだけに、後悔のない選択を心がけてください。
手続きの詳細は、案件ごとに異なります。対象の土地、目的がはっきりしている場合は、公的機関に問い合わせましょう。必要書類や手続きの流れを理解したあとに、依頼する業者を選びます。流れをきちんと理解しないままに進めても、途中でつまずいてしまいますので、正しい情報をふまえた上で土地活用を始めてください。